CASE07.福原(呉)正子(ふくはら(お)まさこ)さん
結婚を機に韓国から徳島県へ移住し、現在は半農半X(※)の暮らしを楽しまれている福原さん。
農業をしながらどのように働いているのか、またどんなふうに好きなことに取り組んでいるのかを伺いました。現在、あいさいキッチン勤務。
※半農半X(読み方:はんのうはんエックス)とは、農業と他の仕事や好きなこと「X」を組み合わせて働くワークスタイルのこと。(ローカルライフマガジンTURNS HPより抜粋)
公開 2024年10月30日
故郷の味を教える料理教室の開催、メニューの提案も
現在はどのような仕事をしていますか?
みはらしの丘あいさい広場内のあいさいキッチンでパートとして働きながら、アグリカルチャーセンター(旧あいさい広場)のキッチンスタジオで月1回料理教室を開いています。あいさいキッチンでは、厨房スタッフをしているのですが、自宅で取れた野菜をキッチンに使う食材として提供したり、韓国料理の一品をメニューとして提案したりもしています。
※写真:あいさいキッチンにて阿波牛を使ったキンパを作っているところ
あいさい広場でつながった、さまざまなご縁
過去にどのような仕事をしていましたか?また現在の仕事を始めたきっかけは?
以前は、韓国料理店を経営していました。私自身、韓国に住んでいた時には家庭で料理を行う程度で、食に関わる仕事はしていなかったんです。日本に来てから飲食店の仕事を始めたのは、人との繋がりが欲しかったからです。残念ながら、経営していた韓国料理店は閉店しましたが、その経験は大切なものとして心に残っています。
また食に関わる仕事をしたいなと思っていたときに、あいさい広場であいさいキッチンの厨房スタッフの求人を見つけて、働くようになりました。あいさい広場は何度か利用したことがありました。
料理教室を開くようになったのは、あいさい広場に偶然知人が働いていて、その方が誘ってくれたことがきっかけです。私が以前開いていた韓国料理店によく来てくださっていた常連さんで、ぜひ韓国料理の教室をしてほしいと言ってくれました。
両立の工夫とやりがい
農業をしながら、仕事と好きなことを両立していて良かった点は?また工夫している点は?
現在の職場環境は、あいさい広場が主催するセミナーで学ぶ機会があり、食に関する幅広い仕事ができる点が魅力です。これまで、野菜作りの教室や手作り加工塾に参加しました。手作り加工塾では、販売計画や商品開発などを勉強中です。
以前、飲食店(韓国料理店)を経営していた時には原価計算などの業務が必要でしたが、今は厨房業務で作ることに専念でき、公私ともに自由にチャレンジできる環境にあると感じています。また、アグリカルチャーセンター(旧あいさい広場)のシェアキッチンが利用できるのも魅力で、自宅にない機材を使えるのが嬉しいです。
一方で、様々なことに取り組むために工夫していることはあります。
たとえば、8月は育てている米の収穫時期であるため、料理教室の仕事はお休みするなど、状況に応じて柔軟に対応するなどして、時間の調整をしています。
学んだ有機農法を夫婦で実践
ご夫婦で営んでいる農業について、どんな作物を育てていますか?またどんなふうに取り組んでいますか?
お米、にんにく、唐辛子などを、自宅の田畑で農薬に頼らない方法で育てています。とある方の有機農法を学び、それを実践しています。にんにくを大量に植えた際、雑草に埋もれて収穫できなかったことがありましたが、翌年、同じ場所でにんにくが自生し、大きく立派に成長していました。その経験から、今年は意図的に雑草の中に植えてみようと考えています。雑草がにんにくの成長を助けているのかもしれない、もしかすると雑草の中で育った方が良いのかもしれないと考え、新たな発見を楽しみながら取り組んでいます。
商品開発を実現できる日を夢見て
今後の目標はありますか?
将来は、自分たちで育てた食材を使った商品開発に取り組みたいなぁと思っています。
今考えているアイデアは、栽培期間中農薬不使用の玄米粉を使った韓国のおもち(トック)のミックス粉です。
主人の退職後に一緒に協力してできるのなら、苦手な部分は主人の力も借りながら、商品開発を進めていきたいですね。